ceciliaのブログ

小さなつぶやき!

老人ホーム

私は9月より老人ホームで働き始めました。市川市にある中規模のホーム(48名定員)で生活支援、つまり居室清掃や洗濯物の管理・返却などが主な仕事です。

 

もともと私は、この介護の世界には18年関わらせていただき、このような施設には約15年は在籍してきました。数も10施設以上にわたるのではないかと思います。

 

しばらくぶりに見た高齢者施設での感想を書きたいと思います。

 

まず、高齢者の方々。このような施設で暮らす方々にある共通点をみつけました。

①根本的に悲観的な方はいないということです。皆さま、ほとんどの方が口癖のように「さっ、帰ろ!」「お金は無いし、帰れないと困るなー」などど自宅に毎日何回も帰ろうとされますが、帰れないことをすぐに忘れ、諦めが良いのです。そして目の前の事柄に気を引かれ、いつの間にか帰りたい気持ちを忘れて(忘れてはいないのかも知れませんが)普通に過ごされている。103歳のおじいさんがその典型で、「今日こそ帰る」と言いながら、気づくと皆さんとリビングで普通に過ごされている。その方は極度の難聴でご自分の主張はされるが一方通行で、全く聞く耳を持たれていないところがほほえましい方です。

②前の項目と共通しますが、皆さんプラス思考であります。というか、もう何かここで主張してもきっと通らないことを察知しており、それなら下を向かないでこの一緒にいる人々や事柄に溶け込んだほうが、何も多くを望まないほうが安泰であると知っておられるのです。

適度の量の認知機能の低下がそれを手助けしているようにも感じます。だから思いの外笑顔が多く見られ、悲観的ではないことが救われます。

③とくに比較的裕福だった方が入っておられる施設のためか、皆さん品が良く、育ちや暮らしぶりの良さがどこかに感じられることも印象的です。

 

次に職員について観察したことを述べたいと思います。

①第一は驚くほど、介護職に転職した中年から以上の男性職員が多くいることです。女性はやはり若い方が目立ちますが40~50歳代も何人かいるのではないかと思います。

②いつの時代もこの介護の仕事に共通するテーマでありますが、介護の仕事に誇りを持ち生き生きと仕事に向かっている人と、「何で私がこんな仕事をしなくちゃ・・・」と明らかに嫌々やっている職員とが二分されている職場であると感じています。後者は他の人にもぶっきらぼうで無視を決め込んだりし、態度からその嫌々さがすぐにこちらに伝わって来ます。多分見えないところでは、入居者の方にもそのようなふてくされた態度で接してしるのではないかと想像しますが、そうでないことを祈りたいです。

③リビングで過ごす高齢者の方に話しかける職員はほとんどいません。これはいつの時代もどこの施設でも共通していることです。介護職員の不足からくるもので仕方のないこととは理解しますが・・・。来る日も来る日も誰も歌わない「カラオケ」画面を流しているだけというのはどのようなものかとあきれてしまいます。

ごくまれに職員が行う集団体操の声が聞こえてくるとほっとします。少しの時間でもみつけて簡単な体操程度はできるはずだと私は思いますが・・・。

 

まあ、違った職種から見るからこそ見えてくることが多いのではないかと思いますが、私は生活支援なのでこのように遠くから見ているだけで、それ以上は求められない点が助かっているのかも知れません。それと同時に生活支援として入居者の方に関わる場面があったときは心から接したいと思っています。そして、今勤めている職場の入居者の方が楽しい時間を過ごし、事故がないことを心から祈っています。

 

このような生活支援の仕事であっても、やはり高齢者施設は私の古巣みたいなところであり、そこに関わる仕事に就けたことを心から感謝しています。