ceciliaのブログ

小さなつぶやき!

蛍の光

8月4日、レバノンの首都ベイルートで大爆発が起きたのはまだ記憶に新しい。世界が驚愕したこの事故の真相はまだわかっていない。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、救急医療隊員として駆けつけた27歳の女性が、29歳の婚約者がいたにもかかわらず爆発に巻き込まれ、命を落としたというニュースが人々の悲しみを一層深くしていた。

 

私が一番心に強く印象づけられたのは、爆発の被害にあい、崩れ、荒れ果てた家の一角に置かれたグランドピアノ。ピアノは奇跡的に無傷であったらしく、そこでこの家の主と思われる老女といってよい女性が「蛍の光」を奏でていたのである。

旋律は深く悲しみを表しており、彼女の過去の思い出とこれから先の不安と、何よりこの事態のさなか平常心を保ちたいという様々な思いがないまぜになっているように私には聞こえた。そのニュースでは、延々とただピアノを弾いている女性の後ろ姿とそのメロディを流していたのだが、それがまた観る者の気持ちを一層やるせない気持ちにして行った。

「いつになったら平和が訪れるのだろうか」という、人々の願いが何故か「蛍の光」の曲の向こうで空しく響いていた。

 

なんて素敵な曲なのだろうと私は改めて思った。別れの曲と同時に未来をみつめた曲のように感じた。その女性がきっとそのような思いをその時この曲に乗せていたからかも知れない。

 

感動した私はネットぷりんとで楽譜を購入した。いつか私もこの女性のように温かい心で弾ける曲がこの「蛍の光」であったら良いなという、かすかな希望を込めて・・・