ceciliaのブログ

小さなつぶやき!

オンラインフォーラムを観て

インターネットで申し込み、2時間45分のオンラインフォーラムを観た。

NHK厚生文化事業団他と読売新聞社主催で神奈川県で行われた。タイトルは「がんと生きるーこころとからだ私らしく」である。

パネリストは医師2名とがん患者会代表の女性と、ゲストが堀ちえみさんであった。

 

2部構成で、1部は堀ちえみさんの壮絶ながん体験の話であった。

最初舌がんステージ4と医師から宣告され、緩和ケアを選ぼうとしたそうだが、家族の愛情で生きることを選択したという経緯が語られた。リハビリの詳細な説明とビデオを観て、いかに闘って来たかが伝わった。

 

2部は最新の胃がん治療の方法や高齢者のがん治療が中心であった。

北里大学病院の比企直樹医師は、胃がんの手術には定型手術(開腹手術)と内視鏡手術と腹腔鏡手術があるが、比企先生はLECS =レックスと呼ばれる腹腔鏡と内視鏡手術を合体させた手術を考案した方だ。再発のリスクは20パーセントほどはあるが、体にやさしい手術で高齢者にはふさわしい面もあり、術後の人生が豊かに生きられる。開腹手術による体力の著しい低下がなく身体への負担が少ない。再発しても、その後はがんと共に生きていくという選択肢もあるからだ。何より嬉しいのは医師による丁寧な説明により、自身(家族)が手術方法を選択できるということだ。外科医と内科医が立ち合う手術場面も映された。医学は間違いなく進んでいる。

 

また、九州がんセンターの西嶋智洋医師は高齢者の状態を評価し(高齢者機能評価)、筋力や健康状態・生活習慣・認知度などを分析し、最適な手術または緩和ケアなどの選択肢を提示する根拠としている。

その人らしさを重んじる医療が行われていることに心強いと思った。

しかし、まだこの取り組みをしている医師や病院は日本では少なく、そこがもどかしい限りである。

 

時代は、医師からの押し付けではなく、徐々に患者側に立った医療が進められつつあるということを知り、希望を持つことができた。

 

松澤千恵子さんはがん患者の「コスモス」世話人代表で神奈川で活躍している。コロナ禍のためオンラインで会合を開き、孤独な患者さんとの交流を続け、お互いに励まし合っているという話をしていた。独居または離婚して1人暮らしの患者が多く、孤立しがちな状況から脱する方法が提示された。地域や近所で支えあい、患者は決して孤独ではないと事例を示して訴えかけられた。

 

最後に堀ちえみさんが話していたことに心打たれた。

「私も再発や転移を考えたら正直大きな不安を抱えるが、医療は日進月歩で目覚ましく進歩している。暗くならないで、もしそうなったら医療を信じて溌剌と立ち向かう自分でありたいと思う」

何と強い言葉かと思った。真から不安に立ち向かい、大変なリハビリを今も続けている人だからこそ絞り出せた言葉なのかも知れない。

 

今回のフォーラムに出会え、何と幸運だったかと、心からそう思う。

 

【感想☆フォーラム終了後に送った】

このフォーラムを見てとても心強く、私自身将来を見据えることができました。先生方のお話はもとより、堀ちえみさんの隠すことのないお話と前向きな姿勢に感動し、励まされました。
今回、フォーラムを見るという良い機会と巡り逢えて感謝しております。