ceciliaのブログ

小さなつぶやき!

戦争の話。

昨日、録画しておいた戦争がテーマのテレビ番組を観ました。戦争の話は気が重く、何日も観る事ができなかったのですが、ふとしたことで観始めました。

 

それは8月24日にNHKで放送された『戦争童画集~75年目のショートストーリー~』というタイトルで、45分の作品です。吉永小百合が朗読をしつつ進行する中で、山田洋次監督等が脚本を手掛けた3つの戦争ミニストーリーを役者が演ずるという構成です。随所にベースのようにあるストーリーを重ね進行します。それは現代の一家族の話です。父親が広島の花火師とその妻、広島に帰郷中の東京に住むアニメーターを目指す娘の3人の出来事が新型コロナを絡めて描かれます。

 

戦争のストーリーは現実の体験者からの話を元に作成されているので、何より説得力があり、そして何よりショックで恐怖でもありました。

 

1部 『あの日』 林幸子さんの手記より 脚本・演出 山田洋次

1945年8月6日、広島市に原爆が落とされた日に被爆にあった林さんが、工場から自宅に歩いていく途中に見た惨劇や、やっと会えた父親(妻と息子を崩れた自宅の下敷きになり亡くす)の悲劇と最期について語る。

 

2部 『こんばんは』 大平数子さんの聞き書きより  脚本・演出 山田洋次

全身被爆でやけどした幼い孫(女の子)のために家々を訪ね歩き、孫が望む「みかんの缶詰」を求めて歩く話。もう最後にしようと決めた家でたまたま(蒼井優演ずる)夫人が大切にとっておいた「みかんの缶詰」を差し上げた。おじいさんがもう何も食べられなくなってしまった孫に缶詰の汁だけ飲ませてあげるとやがて孫は息を引き取った。夫人が忘れた頃、そのおじいさんが孫と植えた小さなサツマイモ1個を大切そうに差し出し、「ようやく成ったから」と感謝の言葉とお礼気持ちとして置いていった話。

 

3部 『よっちゃん』 脚本・演出 松居大悟

沖縄での戦火のなか、負傷した兵士を看護する高校生の女性2人の話。惨状が目を覆うばかりで、けなげにも命をかけて看護をした話。戦禍のなか爆撃に打たれ一名の女性は亡くなってしまう。

 

皆、悲しい話であるが目をそむけてはいけないのだと、観終わってから強く思いました。そして戦争の体験を風化させてはならないと、このような作品を残す吉永小百合山田洋次監督に心から崇拝する気持ちを持ちました。

 

平和ボケした現代人が苦しむコロナ禍。しかし、この戦争の時代にこのような事がほんとうにあったのだろうかと驚きと共に知り、戦争の残酷さを改めて思い知らされました。二度と人間は戦争などしてはならない。しかし今も一触即発の世界情勢。現に戦争をしている地域もある。なんと人間というのは愚かなのかと・・・。

この番組は今を必死に生きていくことの重要性を、私たちに知らしめてくれた番組でもあるのではないかと思いました。