ceciliaのブログ

小さなつぶやき!

おもひでぽろぽろ

NHK BS で「おもひでぽろぽろ」を観た。正確にはアニメの「おもひでぽろぽろ」を実写でドラマ化し、しかも主人公の10歳の子供の50数年後を描いているドラマだ。

もともと宮崎駿プロジュースでスタジオジプリで1981年に公開されたアニメであり、昭和41年当時の女の子の話が中心で、成人した(20歳代となった)主人公が思い出を語るという構成で映画は進む。

 

面白いのがその主人公の女の子は私より4〜5歳歳下なのだが、実写版でも、松坂慶子演じる主人公は50数年後、つまり60歳代半ばに差しかかる女性 であり、これも私の年齢と近くなっている。

 

随所に懐かしい昭和の時代の香りのするアニメ「おもひでぽろぽろ」の大ファンであった私は、何回もテレビで放映するたびに観て懐かしんでいた。

そして、今回松坂慶子演じる60歳代になった女の子が、アニメと同じに小学生の頃を思い出してエピソードを語り、映し出され、なんと嬉しい展開であろうか。懐かしいアニメの「おもひでぽろぽろ」も同時に観たようで懐かしむことができた。

 

60歳代になった主人公は、シングルマザーの娘とその娘=孫が同居することになり、引っ越して来たばかりで浮き浮きしているところからドラマは始まった。小学生の孫娘の生活から自分の小学生時代を思い出すほろ苦い場面が何回かあった。夫は入院中で、夫からは「(お前には)自分の脱サラ後レストランをオープンし、散々苦労をかけたから、これからは自分の人生を楽しんでほしい」と告げられる。

 

実の娘(杏≡演者)との言い合い、うるさい母親の言い過ぎの場面もあり、シングルマザーの娘の気持ちも良く表されていた。

 

急に自分の人生を楽しめと言われて途方に暮れる主人公だったが、ふとしたことで熟年の素人役者募集のオーディションの広告を見る。まさかの思いがけない手違いから申し込みをしてしまい、結果オーディションに受かるというストーリーに発展する。60〜70歳代の素人がシェークスピア劇を演じるという話は現実的とは言えないが、第二の人生を女優ということで探し当てた高齢者を松坂がユーモアたっぷりに演じていた。

 

小学生の時に演者になりたかったが諦めた思い出とからんで話が展開していく。

 

孫娘の学芸会での演じることへのアドバイスもした主人公だったが、コロナで劇場が倒産。直前で公演は中止となってしまう。落胆したのも束の間、次のオーディションにも受かったとかで、明るく笑って物語は終わる。入院していた夫も無事退院となる。

 

ほのぼのとしたドラマであったが、私は「ひょっこりひょうたん島」のテーマソングが聞けたり、流れる歌謡曲や洋楽の懐かしい旋律がいくつも流れ、ときめく場面が多かった。人も小学生も背景も皆昭和のあの頃の香りがしていた。そこには中学2年生の頃の私や、着物を着た40歳代の私の母親も頭の中で登場していた。

 

何より主人公が第二の人生と出会えて生き生きと暮らしているのを観て励まされた。女優とはいかないが私もまだまだ諦めていけないのだと背中を押されたような、甘酸っぱい昭和の記憶と少し光った令和のこれからを同時に考えられ、感慨深い時間を過ごすことができて嬉しかった。