ceciliaのブログ

小さなつぶやき!

今日の出来事。

前にも書いたが、私は有料老人ホームで「生活支援」者として働いている。

勤務先のホームは比較的裕福な人以上が入れる中規模のホームである。高級ではないが、多分人生のある意味成功者でなければ決して入れない価格帯の施設だと思う。

 

そんなことは問題ではない。私の仕事は「生活支援」と言うと聞こえは良いが、いわゆる介護者のやるべき仕事(会社によって考え方は様々だが)を支えるお手伝いさんだ。

 

毎日4室のシーツ交換と居室清掃。他の4室は居室清掃のみ。1人で行うのでそれぞれ20分は優にかかる。約2時間で終わらせるのが目標である。

そしてその後、別の階の全居室16室のトイレと洗面台の掃除を1人で全部行う。こちらは1時間以内で終わらせなくては、次の仕事に影響が出てしまう。

 

私が今日は居室清掃だけの男性入居者の部屋に入ったら、シーツが茶色で汚染されていた。点々とシミがついている。枕カバーも微妙に汚れている。まだ、入居して3日目の方だ。

しかし、シーツ交換に該当しない方の交換はその階の介護者の仕事と決められている。生活支援の我々も次の仕事があるので、気付いてもできないのが実情だ。介助してその入居者を居室に誘導してきた介護者(若い女性)に私は本人に気づかれないように小声でその事実を伝えた。「ありがとうございます。替えておきます」との返答を予測して。しかし、彼女は返答もなくその方を無言でベッドに誘導したのだった。

 

午後になり、その話を今日勤務のもう1人の40歳代の生活支援の女性に話した。そしたら、彼女はやはり私の担当居室の掃除を応援しようと思い、その入居者の部屋に入って、シーツの汚染に気づいていたとのこと。しかし、本人が戻って来たから遠慮して、私の応援は他の居室の清掃に切り替えたとのこと。

彼女は「(その新しく入ったばかりの入居者の方が)可哀想だから、私替えて来ました。だって、私の家族があんなシーツで寝かされていたと思ったら嫌だから」とポツリと言った。

そうだ! これこそが介護の真髄だった! 「私は新人でイレギュラーな対応をする余裕もなくそんなことをして良いかについて考えもしなかった」それは私の甘さであり、問題から逃げている姿勢であり、単なる言い訳に過ぎない。午後は私達の業務にも時間に余裕ができる。彼女もその余裕のできた時間帯に黙って行って、男性入居者のシーツ交換をしていたのだから・・・。

替えてきて良いか聞いて、私が行こうと思う発想すら思い浮かばなかった自分を恥じた。

 

彼女の娘さんも短大を出て訪問介護の道を選んで働いていると言う。優しい心の人が今もたくさんいるのかも知れない。そして、私も見習って心から行動できる、人の立場に立って考えられる生活支援の人になろうと心に決めた今日の出来事でした。